2020年 6月のメッセージ 担当:阿部雄貴

皆様、こんにちは。

カウンセラーの阿部雄貴です。

 

自粛生活を続けているうちにあっという間に冬から梅雨の季節に差し掛かっております。

 

今回のコロナウィルスの直接的な健康被害の脅威に加え、なかなか思うように外出できず、やりたいこともできず、会いたい人にも会えず、行きたいところに行けない、など派生して精神的にもツラい状況が続いています。

 

私自身、生活が大きく制限され変わることに当初戸惑い、大きなストレスを感じておりました。しかし、人間はやはり慣れるもので順応してきている面もあると感じております。

最近では逆に元の生活に戻っていくことに少しの不安と幾ばくかのストレスすらも感じている次第です。そんな矛盾した曖昧な感情も人間らしくていいのかなと感じております。

 

そんなこの自粛生活の中で改めて実感できたものがありました。

今回はそれをテーマに書かせていただきます。

 

それは「立ち止まる時間の必要性」です。

 

通常の現代社会における生活様式は、日々多くの人と交流を持ち、たくさんの情報量と、物凄いスピードで過ぎていきます。

 

一日を振り返る余裕すらなく、目の前のことをとにかくこなしていかなければいけない。思いがけないアクシデントにも迅速に臨機応変に対応しなければならない。

自分の気持ちと生活がズレて来ているように感じてはいながらも、軌道修正することもできない。当初の目的を見失いながら、ただただ漫然と自動化されたような毎日を過ごし、へとへとになって帰る頃にはパワーは空っぽ。生活に変化を起こすほどの気力も残っていない。先の事を考える事を後回しにして、とりあえずその場を取り繕うように毎日をフルパワーで積み重ねていく…。

 

社会に適応する、責任を果たす、という視点に立ちますと、多かれ少なかれそのような側面も確かに必要なものかもしれません。

 

しかし【社会に適応する】ということと【自分らしさを大切に生きる】ということを両立させ、維持し続けることはなかなかに難しいことでもあります。そしてそれは社会というものが刻々と変化していく性質がある以上、常に定期的なバランス調整・メンテナンスが必要になってくるものではないかと思います。

 

「とりあえず同じことを繰り返してさえいれば、このまま大きな問題は起こらないはず」

 

と思って頑張っていても、身体の衰え、疲労の蓄積など様々な外的な要因や、置かれている環境の変化などにより、ストレスがいつの間にか身体への大きな負担となる状況に変化していたりします。

また、人は社会生活において一人で生きているわけではなく、家族、友達、同僚、上司など相互に影響を与え合っており、もちろんその方たちの体調や環境も一定ではない為、一層事情は複雑化していきます。

 

それらへの対応策として、人はなるべく環境をシンプルに整えた上で、自分自身の心と向き合い「本当に今、自分らしい生き方ができているか、今の状況は無理をしすぎていないか」

と考えられるような立ち止まる時間や、精神的な余裕が日常の中で必要になってくるのではないかと思います。

 

頑張り屋で真面目な性格の方ほど「期待を裏切れない」「休むわけにはいかない」「まだ全然頑張れていない」というような言葉をカウンセリングの中でおっしゃられます。

 

しばらくは無理が効く場合もありますが、キャパシティを越え続けた生活は、その後に原因不明の体調不良となって身体症状に表れて、そのまま倒れてしまったり、動けなくなってしまったりする状態をも引き起こします。

 

その結果、休職や退職、不登校、入院などへと繋がることとなり、気質が真面目な方ほど自分自身を責めてしまったり、ふがいないと感じ、更なる自己嫌悪のループに陥ってしまうことがあります。

 

しかしながら、私はそれは本来のその人にとって必要な時間で、自分らしく生きるためのアラームを身体が鳴らして教えてくれたと考えることもできるのではないかと思っています。

 

例えば、タスクを開きすぎたパソコンがフリーズして、どのボタンを押しても動かなくなってしまったら、強制終了して、少し時間を要しますが再起動をかけます。

フリーズしたまま放っておいても自動で復旧する場合もあるかもしれませんし、ファイルなどの損傷を避けるため強制終了はなるべく避けたいところではありますが、そうせざるを得ない状況も時にはあると思います。再起動をかけた後はタスクをたくさん開くと重くなってしまうから気を付けよう、ということにもなりますよね。

 

 今回の自粛に際しての社会全体の立ち止まりとも言える時間は、多くの人が自ら望んだものでは無く、半強制的なものであったかもしれません。

しかし、今回のことは誰の責任でもないため、真面目で頑張り屋の方も免罪符的にシンプルな環境下の中、自分自身を省みる時間にできたのではないでしょうか。

 

そんな風には考えられない、とか、こんなたいへんな時にそれどころじゃない、と感じる方もいらっしゃると思います。ただ、今回の通常とは違う生活スタイルを不本意ながらも体感することができただけでも、今後の人生にとって、気づきのきっかけであったり、考え方次第では大きな価値を持つ期間でもあったのではないかと思います。「休みってやっぱり大事だなあ」とか「電車通勤ってやっぱり嫌だなあ」とかそんなことだけでもきっと将来にとってきっと良い小さな収穫です。

 

いずれにしましても立ち止まる時間というのは、任意のものであっても不本意なものであっても、視点を変えれば自分次第できっと意味も見出せます。

 

 

まただんだんと忙しい日常が戻ってくる中で、罪悪感なく上手に休んだり、一人で考えたり、気持を整理したり、身近な誰かに相談することが苦手だと考える方もいらっしゃると思います。

そんな方のためにカウンセリングは【効率的に気持ちを整理して一緒に立ち止まる50分間】を提供できるものです。日常が戻った後も是非有効にご活用いただければ幸いです。

 

最後となりますが、今回の新型コロナウイルス関連肺炎で亡くなられた方々にお悔やみ申し上げると共に、影響を受けた方々の一日も早い回復と、感染の早期終息を心よりお祈りいたします。

 

まずはたくさん睡眠をとり、栄養のあるものを食べ、少ない時間でも日光になるべく当たることを心がけつつ、どうか無理せず一緒に乗り越えていきましょう。

 

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写真は内容とあまり関係ないですが、春日部の有名なとても美味しいケーキ屋さん【オークウッド】のフクロウたちです。かわいいです。

 

www.oakwood.co.jp

 

春日部の良いところをなるべく紹介していきたい気持ちがあります。

 

お店の装飾が外装も含め、リアルどうぶつの森みたいで楽しいので、ぜひ世の中が落ち着きましたら行ってみてくださいませ。