2020年 5月のメッセージ 担当:大月 浩史

5月のメッセージを担当させていただきます、カウンセラーの大月です。

 

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、世界が確実に変化していくのを皆様も実感しているかと思います。日本においても緊急事態宣言が出され、密閉・密集・密接いわゆる3密を防ぐことや、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を考えた行動など、大きな制限がかかる状況となっています。

 

今回は感染症について、そしてこれからどう生きていくべきなのかを考えてみたいと思います。少々長くなりますがご了承ください。

 

人類の歴史は感染症との戦いの歴史とも言えます。ペストや新型インフルエンザ(スペイン風邪等)などが有名ですが、人類が根絶することに成功した感染症は天然痘のみです。抗生物質が効く細菌による感染症に比べ、今回の新型コロナのようなウイルスによる感染症についてはポリオや麻疹風疹などの一部を除いてワクチンや特効薬がありません。感染症が非常に恐ろしいものであることがわかります。

 

しかし、今回の新型コロナウイルス感染症は、各自の努力によって防ぐことが可能です。ウイルスは細胞膜がないので人体に入り込むことで増殖します。つまり、人体に入り込まなければ感染しません。当たり前の話ですが重要です。多くは口から摂取することで感染します。人と人の間に距離を取り、マスクをすることで飛沫を防ぎ、しっかりと手洗いをする。これだけでかなり予防することができます。不必要に恐れる必要はないのです。

 

また、ウイルスが体内に入り込んだとしても全員が発症するわけではありません。免疫力を高め、睡眠と栄養をしっかりとる。それも有効な手立てとなります。もちろん発症しなくても周囲の人に移してしまうわけですから、人と人との接触は避けるべきです。しかし、致命的な状況になりにくくすることは可能だということです。

 

予防できるとしても人と人との接触がある以上感染のリスクはあります。軽症者で病院があふれると、重症者や他の病気の患者が受け容れできず医療崩壊を起こします。これを防止するための緊急事態宣言です。私たちはしっかりと感染症対策を行いながら、人と人の接触を8割減らすという政府の宣言にのっとり、じっと耐える必要があるのです。

 

さて、ここまで堅苦しい話をしてみましたが、どうでしょうか。厚生労働省等の行政の情報発信を参考に上記の内容を語らせてもらいました。正しく恐れ、正しく対応する。それこそがこのような状況には必要だと思い、様々なところでこのようなお話をさせていただいています。

 

震災からの復興の時には絆という言葉が様々なところでよく使われました。人は支え合い、助け合い、手を取り合ってこれまでの困難な状況を克服してきたと言えます。しかし、「人と人の接触を極力減らす」というウイルスとの戦い方を現代に生きる我々は経験したことがありません。手を取り合うことは感染リスクを高め、致命的な状況を生むからです。今私たちは強烈に孤独を強いられているのです。

 

しかし、悪いことばかりではないと考えることもできます。新型コロナウイルス感染症の出現以降、今は家から出ないで人の接触を行わないことに価値があるという社会になっています。例えば、学校が休校になっているので「不登校」という概念が今はありません。オンライン授業やテレワークもこれからどんどん進むでしょうし、人と接触することに価値を置いていた時代が変わろうとしているのかもしれません。孤独が当たり前の時代になるとも言えます。日本人の特徴でもある「みんな一緒に価値がある」「異質なものは排除する」みたいな価値観が少しずつ崩れ、個を大切にした社会になっていくのではないでしょうか。

 

今私たちができることは、人と人との接触を極力避け、孤独に耐え、新しい価値観にアンテナを張っておくことだと考えています。何もしないことが正解なのです。めんどくさがりの人間にとって、こんなに素敵な環境はなかなかありません。思う存分、グータラしましょう。昼間からお酒を飲むのも良いでしょう。買ったまま読んでなかった本を読んだり、ゲームをしたり、踊ったり、動画を観たり、好きなことをやればいいんです。人との接触がないということは、人からの評価を気にしなくて良いということですから。家から出ないのであれば自分勝手に生きましょう。大事なことなのでもう一回言います。「家から出ないのなら、人からの評価は気にする必要がありません。自分勝手に生きましょう」。

 

ただし、手洗いだだけはしっかりとしてください。家族がいる人は家事や育児を分担しましょう。グータラは全員にもたらされるべきです。そういう同居人からの評価は気にしてください。みんなで気持ち良く生活しましょう。

 

孤独だからこそ、こういったインターネットの世界でつながりたいものです。励まし合って、笑いあって、乗り越えていきましょう。今回のメッセージの結論は「ジタバタしてもしょうがないのでグータラして楽しいことをしましょう!」というものでした。

 

ありがとうございました。今日も帰ったら大好きなビールを飲んでグータラしたいと思います。

 

 

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