2022年 5月のメッセージ 担当:阿部 雄貴

こんにちは。

5月のメッセージを担当しますカウンセラーの阿部雄貴です。

 

今年は少し早めの梅雨入りをするという風の噂を聞きましたが、暖かい日差しが覗くと新しい季節を感じられて嬉しい気持ちになる今日この頃です。

 

さてこの時期になりますと毎年「GW明けから子どもが学校に行けておらず、相談したい」というようなお問い合わせを数多くいただきます。

 

おおまかな一連の流れとしましては4月から新年度が始まって環境が変わり、なんとなく馴染めずに居ながらもなんとか一か月間は頑張ってきたけれど、連休に入り、またいざ学校、となった時に体調不良の訴えを皮切りにそれからどうしても学校に行けない。親としても無理強いするのはよくない気がするし、かわいそう…でも問題が長期化してしまう前になるべく早期に対応したい、でも一体どうしたら…といったような不安な気持ちでWEB検索してこちらのHPに辿り着き、お問い合わせをご両親のどちらかからいただく、という感じでしょうか。

 

お問い合わせをいただいた際にカウンセラーとして支援の方策を検討するのは勿論なのですが、私自身並行してよく考えるのが「そもそも自分はどんな気持ちで学校に行っていたっけ?」ということだったりします。

 

「学校」という集団生活から離れてだいぶ時間が経っているので、なかなか当時のリアルな感覚は想起できないのですが、道を歩いている時などにフッと「そういえばこんなことを思っていたなあ」と思い出せたりします。

 

当時を振り返るとそもそも私は学校に苦手意識を強く感じていたように思います。

小学校の時は躓きながらも担任の先生のあたたかさや人柄に助けられ、なんとかやって行けてはいたのですが、中学校・高校の空間が本当に苦手でした。

 そもそも狭い教室の中で数十人がパーソナルスペースを保てないまま、ぎゅうぎゅうに机を並べて押し込まれジッとしている環境自体が苦手でストレスだったり、子どものそれぞれの特性への配慮の行き届かなさ、形式だけで熱意が感じられないと生徒が感じてしまうような授業を何時間も受けなければいけなかったり、ストレスフルな環境から生じる友達との人間関係の問題だったり、細かいものまであげればキリがないくらい、当時は日々フラストレーションが高まる空間だったと認識しています(これは教育・学校システム上の機能の問題、限界等もどうしてもありましたので仕方がなかった面もあります)

某漫画の主人公のように頭脳は大人、身体は子ども!みたいなものは夢があって楽しそうですが、またあの学校という空間に行かなければいけない、となると厳しい…

 

ただ当時は自身のアイデンティティも未成熟で、客観視もうまくできないのでその時々に感じている不快感だったり、不全感をうまく周りの大人に言語化して伝えることは難しかったように思います。周りの大人も心配のあまり、時に感情的な声掛けをしてしまうこともあるでしょうし、子どもとしても「全然わかってくれない!」と反発して余計に関係性がこじれたりして問題がより複雑化したりもします。私も学校を休んでしまったり、行かなかったことも度々ありましたが、結果として卒業することはできました。当時はスクールカウンセラーも学校に在籍していなかったと記憶しているので、もしあの時、自分がカウンセラーとうまく繋がれていたらどうだったんだろう、と思ったりもします。

 

社会への適応の方法を学ぶ場としての機能を学校という組織が担っている部分は確かにあると思います。

しかし、一つの場所に固執しすぎてしまうと失敗体験が重なり自信を失い、前に進むためのエネルギーが枯渇してしまう循環に入ってしまう、疲弊してしまう。

結果として遠回りになってしまうようなことも起こり得るかと思います。

 

これは学校だけではなく、職場適応においても同じようなことがいえると思います。

仮定の話ですが、休職やリワークの制度が存在しない世界線があり、異動も転職も許されないとしたら絶望的な気持ちになると思います。大人ですら選択の判断が難しいのに、子どもが自ら自身の環境を調整していくのは容易な事ではありません。また、選択肢が一つしかないと感じてしまうような状況でのストレスや不安は大人も子どもも同様にとてもつらいものです。

 

カウンセラーの立場としては段階を踏んで一緒に検討した上で、個人に合った最適な環境を模索していくお手伝いを担っていきたいという気持ちでおります。

多種多様なケースがあり、問題解決の形も様々です。

不安に感じることがあればできる限りお答えしますのでまずはお電話・HPからご相談ください。

いつでもお待ちしております。