2020年 7月のメッセージ 担当 内田佳菜子

7月のメッセージを担当します、カウンセラーの内田です。

緊急事態宣言が解除されてしばらく経ちましたが、皆さま感染症対策にまつわる様々な変化に対応される日々かと思います。

 

そこで今回は、「コーピング」をテーマにさせていただければと思います。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、「コーピング」とは「ストレスへの意図的な対処」のことです。ストレス状況や、それによって自分が感じているストレス反応をやわらげるための対処を、コーピングと呼びます。

 

これは、とっておきのひとつがある事よりも、さまざまなレパートリーを持っている事の方が効果的とされています。

「かなり効く!」と言う対処がひとつだけあっても、それが何らかの事情で出来なかったりある状況では効かなかったりすると、他に手立てが無くなってしまいます。「ちょっとは効く」「まあまあ効く」と言うものをたくさん持っておいて、場面や気分などに合わせて色々試せることの方が、自分自身でストレスを和らげることに役立つというものです。

 

今、ご自身のコーピングを聞かれたら、いくつくらい思いつくでしょうか?

先日仕事のなかで、自分のレパートリーがどれくらいあるか、とにかく紙に書き出していく機会がありました。最初のうちはぽんぽん思いついて書けるのですが、段々思いつかなくなっていき…。後でほかの人のレパートリーを見せてもらうと、「自分にも良さそう」と思えるものがあったり、「そんな方法もあるのか」と目からウロコのものがあったり、「私も前にやったことある!」と自分でも忘れていたものがあったり、とてもタメになりました。

 

そこで今回、レパートリーの例をご紹介したいなと思います。ご自身に良さそうなものがあれば、試してみていただけると嬉しいです。

 

  • 行動的コーピング

※コーピングを大きく2つに分けた場合、行動的(何かをする)コーピングと、認知的(考えやイメージ)コーピングに分けられます。

お風呂で歌う 引き出しの整理 マンガを読み返す いつもより上質なコーヒーを味わう 花を生ける 映画を見て号泣する いらない紙をビリビリに破る 愚痴を言う 世間話をする 深呼吸する 旅行の写真を見返す ものづくりに没頭する エアードラムする マッサージ アロマキャンドル 外の新鮮な空気を吸う 不要なものを捨てる …など

 

  • 認知的コーピング

プラス面とマイナス面の両方を考える 逆に言えば…と考える 何とかなると考えてみる 自分をしっかり褒める 普段言えない事を言っているところを想像する 何かのせいにしてみる 優先順位を考える 愛猫のモフモフした毛並みを思い浮かべる 好きな映画の名言を思い浮かべる 相談できる人を思い出す 自分の頑張りをねぎらう …など

 

いかがでしょうか。少しでもご自身に合いそうなものや、気負わず試せそうなものはあったでしょうか。こう言ったちょっとした事をコーピングと言っていいんだと改めて確認することで、もっとオリジナルのものを思いついている方も多いかもしれません。

 

新型コロナウィルスと付き合っていく中で、またそれと直接関わらずとも忙しい毎日の中では、避けられないストレスがあるかと思います。今回ご紹介できたものはほんの一例ですので、一人一人ご自身にあったコーピングがもっとあるかと思いますが、何かひとつでも参考にしてもらえるものがあるといいなと思っています。

 

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