2023年4月のメッセージ 担当:田島

春日部元町公園の桜が咲いているのをオフィスの窓から見ると春の訪れを感じます。

皆さまは如何お過ごしでしょか。4月のメッセージを担当します。田島です。

 

このページをご覧になっている人はどれくらい居るのだろうか、ということは私には良く解らないのですが、春日部市民のうち果たして・・・うーん、20人くらいは見てくれているでしょうか?うーん・・・

気が付くともう10年くらい阿部オフィスでお世話になっているのですが、メッセージをご覧になっている、という声を伺ったのは1人だけでしたので、まあそのくらいだろうなと今月は少し肩の力を抜いて書いて行こうと思います。

 

ブログやSNSが流行する前から阿部オフィスではこんなふうにカウンセラーが月替わりでメッセージを書いていくという文化があるのですが、内容は各人に任されていて“パンが好き”とか“こんな映画を見た”みたいな自由度の高いものをその時々で書いたりしているのですが、今日は珍しくカウンセリングと心理療法の話をしてみようかと思います。

 

このテーマは色々なところで目にするのですが、私たち臨床心理士の間でもカウンセリングと心理療法って何が違うの?と聞かれてもなんだか曖昧なことがあるかもしれません。

肩の力を抜いて私の言葉で表現すると以下のように考えられると思います。

 

カウンセリングとは、面接室に持ち込まれたその人の悩みに対して、臨床心理学の知識に基づいて、傾聴や助言、内省する、問題を別の角度から捉えなおすなど、様々なアプローチを行います。自分の事や、悩みについて“話す”ことを通して、安心感が得られることや、問題が整理されること、元々は自分の中にあった考えが整理されて妥当な考えがハッキリとしてくるなどの効果が得られるようになることを目的とします。

自由度が非常に高く、対応できる裾野も幅広いことから、レストランでアラカルトで食事を楽しむイメージをして頂くと良いかもしれません。

多くの場合は、カウンセリングを提供するカウンセラーが、妥当性の高いアプローチを提案してくれるでしょうし、ご自身のリクエストも伝えると良いでしょう。

 

 

心理療法とは、認知行動療法や精神分析的心理療法など、特定の理論や治療哲学が存在するアプローチの総称です。その人の悩みについて、それぞれの心理療法の背景にある理論や知識に基いてアセスメントを行い、介入を行っていきます。多くの場合は治療の進め方や介入の行い方にも一定の理論や、積み重ねられた知識が適用され、一般的なカウンセリングと比較するとより専門性の高いものが提供されます。

先ほどのレストランの例えで言うなら、“スペシャリテ”があるからそのレストランに行くというイメージでしょうか。現実的にも特定の心理療法は、臨床心理士なら誰でも提供できるとは限りません。専門職しか入ることの出来ない学術団体(○○学会)に所属してより専門性の高い知識を積み重ねることや、その心理療法を提供できるようにスーパービジョンと言う訓練を受けてようやく提供できるものです。

一般的な“カウンセリング”を行うにもスーパービジョンを受ける必要があると思いますが、特定の心理療法を提供している臨床心理士の多くは、このような訓練を受けているか、受けていたという人が多いです。

例えば、所長の阿部先生は催眠医学心理学会という学会に所属して、長らくスーパービジョンを始めとした研鑽を続けて催眠療法・自律訓練法の専門家として心理療法を提供されています。私は精神分析学会という学会に所属して、精神分析的心理療法を専門としています。

また、サブスペシャリティーとして、自分の専門性とそれ以外の専門性を備えている人も多く存在します。私の周りでは、精神分析的心理療法を専門としながらも日々の臨床では認知行動療法も行うために、そちらの研修も並行して行っている人も結構居ます。

 

カウンセリング・心理療法の両者に共通するのは、いずれも臨床心理学やその辺縁の学問に基づいたアプローチであるということです。

どちらを選択しても、それを選んだ方には専門的なサービスが提供されます。

もう少し詳しく知りたいな、という方はお問い合わせいただくか、担当のカウンセラーに聞いて頂くのも良いかもしれません。

 

次回は私が長く学んできた精神分析的心理療法について書くことが出来ると良いなと思いながら、今月のメッセージを締めさせて頂きます。

今後とも、よろしくお願いいたします。