2023年8月のメッセージ 担当:大月 浩史

こんにちは、カウンセラーの大月です。先日、忙しすぎて自分のために何もしていないなと急に思いつき、10年ぶりくらいに当時から読みたかった小説をいくつか購入し、読んでみました。時間はないので睡眠時間を削りました。最近寝不足です。

 

私はカウンセラーでありながら、普段は人前で話す仕事ばかりしているので、どうしてもアウトプット(出力)ばかりになってしまいます。自分を削って生きる感覚と言うのでしょうか。そのため、インプット(入力)つまり自分の中に「何か」を取り込んでいく作業を定期的にしなければ、空っぽの人間になってしまう感覚があるのです。

 

インプットするものは何でも良いのですが、自分が好きなものが良いんじゃないかと思います。本でも、音楽でも、映画でも、誰かとのおしゃべりでも、ビールでも。

 

そういった意味ではカウンセリングの時間は私にとっては目の前の人の「何か」をインプットできる時間です。目の前の人の「悩みの核」であったり「問題の本質」、そして「その人自身」みたいなものを注意深く理解しようと試みる。自分の中に「それ」をインプットし、自分の中で咀嚼して相手に返す(アウトプットする)。そのやり取りこそが治療的であり解決的で、そして相手を大切にすると言うことなんじゃないだろうかと考えています。

 

カウンセリングは言語を介して行われますが、もしかしたら語られる言葉にはほとんど意味がなくて、その裏側にある「何か」にこそ重大なメッセージが隠されているんじゃないかと思うことも度々あります。目に見えるもの、聞こえてくる言葉だけで判断しないように心がけています。

 

そもそも、言葉はどれほど正確に私たちの考えや気持ちを表現できているのでしょうか。目の前の人間を本当に愛している時に「愛している」という言葉で100%の想いを込めていられるのか。答えはNOです。言葉は私たちの心の一部を簡易的に切り取って表現しているに過ぎません。切り取っているわけですから、削ぎ落とされた想いが確実に存在する。私たちは常に「言葉足らず」なコミュニケーションを行っているのです。

 

だから、その削ぎ落とされた、切り取られて捨てられてしまった想いを、全身で感じ取るようにする。心の落とし物を見つけようと努力する。それが私自身が普段から心がけている、相手を理解する時のコツのようなものです。

 

読書をしたからでしょうか。文章が少々難しくなってしまいました。すみません。そもそも本の話をしようと思ったのに全然関係ない話になってしまいました。だが、それが良いんです。自然に身を任せて生きていきましょう。

 

この文章だって、私が伝えたい想いの一部しか表現できていない。100%相手を理解したいと思うから、人は人を求めるのかもしれませんね。皆さんも、相手の言葉からこぼれ落ちた「想い」を見つけるように生きてみてはいかがでしょうか。

 

この文章もアウトプットですから、少し疲れましたね。そういう時は好きなものをインプットしましょう。それでは大好きなビールをいただくとします。暑い日が続きますので体調を崩さないようにご自愛ください。

 

 

2023年7月のメッセージ 担当:斯波 涼介

皆さん、こんにちは。カウンセラーの斯波です。

すっかりメッセージ遅れの常習犯になってしまっております。すみません……

「7月(を振り返るため)のメッセージ」と思って読んでいただければ幸いです。

 

7月30日には「阿部真理子臨床心理オフィス 30周年記念パーティー」がありました。

その詳細は、おそらく阿部所長がUP等されると思いますので、詳細は控えさせていただくとして……。

たくさんの懐かしい方々、素晴らしい音楽に囲まれ、素敵な時間を過ごすことができました。

参加してくださった皆様とは、また近々、どこかでお会いしたいものです。

 

さて、そのパーティーの1週間ほど前、7月22日には「足立の花火」がありました。新型コロナウィルスの影響で中止されていたので、4年ぶりの開催でした。

打ち上げ地点に一番近い「北千住」の駅は、毎回ものすんごい混雑に見舞われます。

ですので、地元民(だけじゃないかも)は「五反野」とか「扇大橋」とかから観覧する人も多いのです。

荒川を挟んで、打ち上げ地点の反対側から観る形になりますが、上空に上がる花火に裏表はあまり関係ありません。

じゅうぶんキレイで、北千住ほどではないにせよ、こちらもかなり賑わっていました。

 

この「花火」というのは、経験ある方も多いと思いますが、写真に撮るのが非常に難しいですね!

撮れないわけではないんだけど、ちょっとのブレで変な感じになってしまったり、タイミングを合わせるのがかなり難しかったり……

上手に撮れたようでも、その時・その場で観る迫力や美しさは、うまく写しきれていないことがほとんどのように感じます。プロの方が卓越したテクニックで撮れば、また別なのでしょうけど……

でも、だからこそ「良さ」があるのではないかな、と思います。昨今は映像技術も発達して、写真や動画などは誰でも気軽に撮影できます。特殊加工技術を使えば、時には現実よりも迫力がある映像を撮れたりするかもしれません。

それでも、やっぱり「その時」「その場」でないと味わえないものというのは、とてもたくさんあります。映像だけでなく、音であったり、味であったり、匂いであったり、手触りであったり。

いわゆる「五感」で感じるものというのは、思い出したり追体験したりはできても、その瞬間の体験は1回こっきり、一期一会です。

だからこそ、そういったすべての瞬間を、大切に感じていくことができたらなぁ、などと、ボケボケの写真を見ながら考えたりしました。

 

非常に暑い日々が続いています。皆様、体調に気を付けつつお過ごしください。

 

↓これは比較的キレイに撮れた……かな?

 

 

2023年6月のメッセージ 担当:櫻井 由史

6月のメッセージをお伝えします。カウンセラーの櫻井由史です。

今月、好きな映画のBlu-ray&DVDが発売されます。

タイトルは『かがみの孤城』です。

 

映画『かがみの孤城』は、辻村深月さんのベストセラー小説をアニメ化したものです。

映画館に足を運んだのは、今年の3月でした。

きっかけはスクールカウンセラーとして関わっていた生徒との会話です。

 

『かがみの孤城』は小説から始まり、漫画化や舞台化、そして映画化されたことからも、たくさんの人の心に届くような作品であることは間違いありません。児童書としてふりがな付の文庫も登場し、作品との出会い方にも広がりを見せています。

 

さて、今月まで本作品のBlu-ray&DVDを待ち望んでいたわけですが、この映画を通して、たくさんの心の動きがありました。

登場人物一人一人とカウンセリングをしているような感覚になったり、

カウンセラーとしての自分のことを肯定してもらえているような感覚を抱いたり…。

とても不思議で心地の良い体験でした。

 

映画館では、登場人物の持っている力を“信じて、寄り添う”という姿勢で鑑賞していましたが、これは現実世界でのカウンセリングの姿勢そのものだったりもします。

 

カウンセラーの役割というものを改めて考えたりもしました。

 

この作品には出会うべくして出会ったという感覚で、カウンセラーとして、これからもがんばっていこうと思えました。

そのような作品と気軽に出会えるようになったことが嬉しいです。

 

 

2023年5月のメッセージ 担当:高田 康輔

カウンセラーの高田です、よろしくお願いします。

いきなりですが、色々な心理に関わる現場でお仕事をさせていただく中で、出会う親御さんや他の専門職の方々からよく「心理の専門の先生なのだからきっとお家でお子さんにもうまく関われられるんでしょうね」との言葉をいただくことが多くあります。

普段働いている様子などからその様なイメージを持っていただいたりもするのかもしれないのですが、実際の家庭内としては「そんなことはないです」というのが正直なところです…(笑)

今回は、自身の子育てを自戒を込めて振り返りつつ気をつけたい点や(余裕があれば)こうしたいと考えているという点などの話を少しさせていただきたいと思います。

まず、気をつけたいなとよく考える点は①何かできる様になったからといっていつもできるわけではないという点です。子どもの生活面での動作、特に服を着ることや靴を履くことなどについてできる様になるまではゆっくり時間を取ってあげたり手伝ってあげたりできるのですが、一度できる様になってしまうと「できる様になった」と理解してしまう様になりできる事として要求してしまうなという反省をよくします。つい最近まで出来なかったということは、ある意味子どもからしたら「頑張らないと出来ないこと」という可能性もまだあります。したがって、その行動をするためには子どもなりには努力が必要であり、「いつもいつもそんなに全力出せないよ!」と思ったりもするのではないか?と考えられます。なので、できる様になったからといっていつもいつも求めてはいけないなと気をつけたいなと考えていたりします。

次に②注意してしまったことは本当に子どもが悪かったことなのかという点です。生活の色々な場面で子どもを注意したり叱ってしまったりする場面はあると思いますが、「本当に子どもが悪かったのだろうか」ということは冷静になってから考えるように心がけています。結果的に子どもがいけなかったなということもありますが、自分が焦っていたんだなという反省や用意が足りていなかったから子どもがやることが多くなりすぎてしまったなということも多くあります。なので、(できれば注意する前ですが)注意してしまった際には少し振り返ることを意識したいなと考えています。

今あげた様な2点のことが私自身の反省点としてよくあがることです。そして、それに対して日々こうしていきたいなと考えている点もいくつかあります。その一つが、振り返った後に「自分が悪かったな」と思うことについては謝るということです。我々親もミスや間違えを起こすことは当たり前のことなので、悪いと思ったら謝るようにしたいなと思っています。これについては、もう一つの効果もあり子どもたちに対して謝るということのモデルや見本を示せることも大切なことだと考えています。もう一つが、自分1人ではなくパートナーや外を頼っていくことです。どんなによく関わりたいと思っていても1人で考えていたり抱えているとなかなかいい関わりを続けていくことは難しいと思います。なので、冷静になったり振り返るためにも他の家族や園や学校を頼っていくことも大切なことであると考えています。


最後になりますが、こうやって改めて振り返ると気にはしているけれど、うまく関わるのは難しいなと改めて感じてしまいます。しかし、大人も1人の人間なので完璧にこなしていくことは難しくてしょうがないと思います。そういう自分自身も認めてあげながら進んでいくことも大事なことなのかな?と感じたりもしますので皆様も気を張りすぎないように頑張っていきましょう。

そして、親子間のことや自身のことなどお悩みの際に誰か他の人と共に考えながら進めていきたいなと感じられる際には、当オフィスなど専門職のご利用もご検討いただければなと思います。

長くなりましたがお付き合いありがとうございました。