2016年 12月のメッセージ 担当:関谷 瑠美

今年も最後の1ヶ月となりました。寒さも厳しくなりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。11月には関東では雪が積もるなど各地で例年よりも早い冬の訪れが見られ、あわただしく秋が過ぎ去ってしまいましたね。
平成28年12月のメッセージを担当します、関谷と申します。


(写真1:昨年の12月にスタッフ数人で作ったお菓子の家です)

さて、私事ではありますが、11月に体調を崩し、1か月ほどお休みをいただいておりました。ご心配ご迷惑をおかけした皆さま、本当に申し訳ありません。ここをお借りしてお詫び申し上げます。
これまでなるべく体調を崩さないようにと心がけてきたのですが、思わぬところでひっかかってしまいましてお休みに至ったわけなのですが、その間いろいろと自分のこと、周りのこと、これまでのこと、これからのこと等いろいろと考える時間にもなりました。特に普段よりも周りの方に支えられていることを強く感じる1か月でした。ありがたいなあ・・と感じる中で、ふと思い出したのが、“内観療法”と呼ばれる心理療法のことでした。

内観療法”とは日本で生まれた心理療法の一つで、自分にとって重要な人物との関係を①お世話になったこと、②して返したこと、③迷惑をかけたことの3点に絞って、具体的に調べていきます(思い返していきます)。1週間集中的に行う“集中内観”と日常生活の中で数時間~数分行う“日常内観”があります。内観を行うことで過去の体験が新しい意味を持ってよみがえることで、自分自身を捉えなおしたり、周りの人へのイメージが変化したりするという効果があると言われています。

数年前に私も1週間の集中内観をしたことがありました。その時はその時で様々な発見があったのですが、日常生活ではあまり思い出すこともなくなっていました。それをこの療養期間中に思い出したのです。療養中なので仕方がない、と言えばそうなのですが、それにしても“してもらった(もらっている)こと”が多くあって「本当にありがたいなあ」と思うことばかりでした。家族や友人、職場の方、相談にいらっしゃる方。本当にいろいろな方に対して感謝の思いを感じる日々でした。日常生活に戻るとあわただしく日々が流れ、つい自分本位になって「○○も××もしてあげた!」など“してあげたこと”がたくさん見えることもあります。そういう風に感じることが増えるとなんだか自分ばかりが損しているような気持ちになったり、周りに対して怒りやイライラを感じやすくなったりすることもあるかもしれません。
“内観”のテーマに強くこだわらなくても、時々は自分の視点から離れ他者の視点に立って考えたり、物事から距離をもって俯瞰的に見て感じてみたりする時間を作ってみるのもよいかもしれませんね。


(写真2:温泉旅館でいただいた焼きミカン。おススメです!!)

平成28年もあとわずか。やるべきことがたくさんあってお忙しい日々が続く時期かと思いますが、お風邪など召されませんよう、ご自愛くださいませ。
新しい年を健やかな気持ちで迎えられますように。

2016年 11月のメッセージ 担当:田島

人類は小さな球の上で
眠り起きそして働き
ときどき火星に仲間を欲しがったりする

火星人は小さな球の上で何をしてるか 僕は知らない
(或いは、ネリリし キリリし ハララしているか)
しかしときどき地球に仲間を欲しがったりする
それはまったくたしかなことだ

万有引力とは
ひき合う孤独の力である

宇宙はひずんでいる
それ故みんなはもとめ合う

宇宙はどんどん膨んでいく
それ故みんなは不安である

二十億光年の孤独に
僕は思わずくしゃみをした

11月のメッセージを担当します。臨床心理士の田島です。
どんなテーマで何を書こう?と考えている中でふと、この詩が思い出されました。谷川俊太郎さんが1950年に書いた詩です。私は詩や文学に特別詳しいとか、もの凄く好きだという訳ではありませんが、私たち一人一人が本質的には孤独である一方でそれぞれに惹かれあっていたり不安を感じているという、矛盾するようだけど人と人の繋がりや結びつきはこういうものなんだということを鋭く表現されている詩だと思います。

この詩が作られてから66年後の私たちもそれぞれは一人なのだけど、家庭や学校や、職場で誰かと関わりながら生きています。電話や手紙だけではなく、メールやSNSなど(そういうものに疎い私が知らない様々なツールもあると思います)誰かと繋がるための方法は以前では考えられなかった程に発展しています。

しかし、カウンセリングという仕事をしていると人と繋がるためのツールは便利になっている一方で、他者との関係で悩みを抱えている人や、周りからは気が付かれないのだけど(気が付かれないようにしている人もいるかもしれません)不安な気持ちや孤独な気持ちを抱えている人が少なくない事に気付かされます。また、矛盾する様ですが、人との繋がりが強すぎるためにそれが負担に感じているという人もいたりします。

そのような自分の不安や孤独、人との結びつきを一人で考えようとするときりが無くなってしまうと言うか、考えが同じところを廻ってしまう事や、どうしたら良いかと困ってしまう事があります。そのような時に安心して自分の事を話せる場所や他者を求めてカウンセリングを利用される方もいます。

一つのものの見方に過ぎませんが、私たちは人との繋がりや結びつきについて悩んだり、傷ついたりすることがあります。一方で、それを癒すのは孤独ではなく、やはり人の存在や人の手によるものであるだろうと思います。

二十億光年の孤独と言うと少しスケールが大き過ぎるように感じますが、日常生活の中で孤独や不安が起こった時、それを何とかするための場所が身近にあったら良いなと思うし、そういう相談室として当オフィスを利用して頂けると良いなと思っております。

2016年 10月のメッセージ 担当:渡辺 弓子

こんにちは。10月を担当しております渡辺弓子と申します。
10月のイベント言えばハロウィンでしょうか。
さまざまな仮想をしてにぎやかなお祭りのイメージがあります。
このハロウィンですが、調べてみると、毎年10月31日に行われる、
古代ケルト人が起源とされる祭りのことだそうです。

もともとは秋の収穫を祝い、悪霊など追い出す宗教的な意味合いのある行事であったようです。
ただ特にアメリカ合衆国で民間行事として定着し、カボチャの中身をくりぬいて「ジャック・オー・ランタン」を作って飾ったり、子どもたちが魔女やお化けに仮想して近くの家々を訪れてお菓子をもらったりする風習があるものとされています。
日本では、9月のお彼岸と稲刈りの時期が重なり、9月下旬から10月上旬が収穫の季節になるので、ハロウィンをみんなで楽しむのもあながち間違ってはないかもしれませんね。

ことに日本人は、昔から中国大陸や朝鮮半島からさまざまな文化や技術、哲学などを上手く取り込んで、日本の文化として発展させてきました。
異なる価値観や考え方をいったん取り込んで、日本の風土に合った文化として発展させていくためには、あくなき好奇心と探求心、そして何より異文化への畏敬の念があったからこそだと思います。
私も先人たちにならい、日々の生活の中で気になること知りたいことにちょっと立ち止まり、好奇心をもって過ごしていきたいと思っています。
皆様にもそれぞれに気になることやってみたいこと、知りたいことなどあると思います。秋の夜長にゆっくりと思いをはせてみませんか?

2016年 9月のメッセージ 担当:阿部 雄貴

皆様
こんにちは。
9月のメッセージを担当します、オフィススタッフの阿部雄貴と申します。
ここ最近は10月に控えております日本催眠医学心理学会に向けての準備で日々が矢のように過ぎております。

さて阿部真里子臨床心理オフィスは毎年
『キャンプ』
と呼ばれるクライエントさんも含めた一泊二日の研修会を
行っているのですが、残念ながら今年は学会の準備に全力投球のため、決行を断念せざるを得ませんでした。
ここ数年は長瀞で研修会を行っており
心と体を育てる、と言うスローガンのもと自然と触れ合ったり
仲間と共同生活を体験したりと穏やかな自然に囲まれた環境の中、とても素晴らしい時間を過ごせます。

さて、近年よく耳にする発達障害という言葉なのですが
結局は人それぞれ違っている個性の一つの側面が強く出ているにすぎない本来尊いものである、と考えられます。
ただ社会の集団やシステムの中でうまくいかなかったり
悲しくなったり、悩んだり、ストレスに感じたり。
そうした時にその個性は障害という形になり
順応、適応が本人や周りの人から求められるものになります。

発達障害は治療する、という性質の類のものというよりは
あくまでも個性として自己理解を深め、社会に対してどう関わっていくのかという日々の練習だったり、家族の理解や
ものの見方を違った角度から見てみることが大切な考え方の一つです。
子どもの頃や成長段階の関わりがどの程度、結果として
どのくらい反映するのか判別する手段は比較対象がないため
厳密には存在しない、測定不可能だと思われますが
毎年キャンプに行くとたくさんの笑顔に出会います。
これが希望にならない訳がないと強く思います。

何が言いたいかというと早くキャンプに行きたいです。笑
皆様、来年のご参加お待ちしております。