暑さ寒さも彼岸までとは良く言ったもので、残暑厳しい9月には果たしてこの夏は過ぎ去ってくれるのだろうかと心配をしたものでしたが、彼岸花の咲く頃にはようやく秋の気配が感じられて大変安心しました。 10月のメッセージ担当の田島です。宜しくお願いします。 地球温暖化、ヒートアイランド、フェーン現象、私たちを取り巻く環境は幾つもの要因が重なってどんどん過酷なものになっていきます。 私がまだ子供の頃は夏と言っても朝は前夜の放射冷却の影響で地面や草花は朝露で濡れていて、朝陽が差す頃にそれらが霧になっていく様子が夏の日の始まりだったように思います。 日中も32-3℃まで気温が上がれば暑い方で、屋外で野球をして、木陰で休憩をしてその時にはエアコンも無いけど涼むという感覚を感じられていました。 夕方も夏の陽射しなのでとても暑いけれど、時々夕立が来たりして気温がスッと下がったりしていたように思います。 昭和や平成の最初の頃は私が上記で思い出したような体験をされた方は結構居らっしゃるのではないでしょうか。こういう昔を懐かしむ、みたいな文章を書いていると歳を取ったのだなと感じる今日この頃です。 さてさて、昔を懐かしむのは年を取ったから出来ることですが、温暖化を嘆いてもおそらくこの気候が昔に戻ることは難しいのでしょう。 諸行無常とは良く言ったもので、変わって欲しくないなと思っているものは何時しか変わってしまったり、変わらざるを得なかったりします。 そのような移ろい行く日々の中で変化に対応することが過度な負担になったり、それまで保っていたバランスを変化のために一時的に崩さなければいけなかったり、そういう時に心身のバランスが崩れることがあります。 負担を感じたり、バランスが崩れているその時にはそれは中々苦しい体験なのですが、それをなんとか持ちこたえて行くと、負担に耐えられるようになったり、新たにバランスを取るコツを身につけられたりするようになります。 これは、心理学的には『適応』という考え方の事を指すのですが、私達の多くは自然とこの適応能力を持っています。 同時に、上手くこの能力を発揮できない時に誰かの手を借りたりすると、適応を出来るようになったりもします。 当相談室で提供しているカウンセリングや心理療法もそういう手助けの一種として利用される方もいらっしゃいます。 季節が変わって過ごしやすいはずなのに、なんだかちょっと適応に困っているかも…… そんな感覚を感じていらっしゃる方はどうか遠慮なく言葉にしてみて頂けると、当相談室の先生方は親身に相談に乗ってくれるかと思います。 10月もどうぞ宜しくお願いいたします。