2023年7月のメッセージ 担当:斯波 涼介

皆さん、こんにちは。カウンセラーの斯波です。

すっかりメッセージ遅れの常習犯になってしまっております。すみません……

「7月(を振り返るため)のメッセージ」と思って読んでいただければ幸いです。

 

7月30日には「阿部真理子臨床心理オフィス 30周年記念パーティー」がありました。

その詳細は、おそらく阿部所長がUP等されると思いますので、詳細は控えさせていただくとして……。

たくさんの懐かしい方々、素晴らしい音楽に囲まれ、素敵な時間を過ごすことができました。

参加してくださった皆様とは、また近々、どこかでお会いしたいものです。

 

さて、そのパーティーの1週間ほど前、7月22日には「足立の花火」がありました。新型コロナウィルスの影響で中止されていたので、4年ぶりの開催でした。

打ち上げ地点に一番近い「北千住」の駅は、毎回ものすんごい混雑に見舞われます。

ですので、地元民(だけじゃないかも)は「五反野」とか「扇大橋」とかから観覧する人も多いのです。

荒川を挟んで、打ち上げ地点の反対側から観る形になりますが、上空に上がる花火に裏表はあまり関係ありません。

じゅうぶんキレイで、北千住ほどではないにせよ、こちらもかなり賑わっていました。

 

この「花火」というのは、経験ある方も多いと思いますが、写真に撮るのが非常に難しいですね!

撮れないわけではないんだけど、ちょっとのブレで変な感じになってしまったり、タイミングを合わせるのがかなり難しかったり……

上手に撮れたようでも、その時・その場で観る迫力や美しさは、うまく写しきれていないことがほとんどのように感じます。プロの方が卓越したテクニックで撮れば、また別なのでしょうけど……

でも、だからこそ「良さ」があるのではないかな、と思います。昨今は映像技術も発達して、写真や動画などは誰でも気軽に撮影できます。特殊加工技術を使えば、時には現実よりも迫力がある映像を撮れたりするかもしれません。

それでも、やっぱり「その時」「その場」でないと味わえないものというのは、とてもたくさんあります。映像だけでなく、音であったり、味であったり、匂いであったり、手触りであったり。

いわゆる「五感」で感じるものというのは、思い出したり追体験したりはできても、その瞬間の体験は1回こっきり、一期一会です。

だからこそ、そういったすべての瞬間を、大切に感じていくことができたらなぁ、などと、ボケボケの写真を見ながら考えたりしました。

 

非常に暑い日々が続いています。皆様、体調に気を付けつつお過ごしください。

 

↓これは比較的キレイに撮れた……かな?

 

 

2023年6月のメッセージ 担当:櫻井 由史

6月のメッセージをお伝えします。カウンセラーの櫻井由史です。

今月、好きな映画のBlu-ray&DVDが発売されます。

タイトルは『かがみの孤城』です。

 

映画『かがみの孤城』は、辻村深月さんのベストセラー小説をアニメ化したものです。

映画館に足を運んだのは、今年の3月でした。

きっかけはスクールカウンセラーとして関わっていた生徒との会話です。

 

『かがみの孤城』は小説から始まり、漫画化や舞台化、そして映画化されたことからも、たくさんの人の心に届くような作品であることは間違いありません。児童書としてふりがな付の文庫も登場し、作品との出会い方にも広がりを見せています。

 

さて、今月まで本作品のBlu-ray&DVDを待ち望んでいたわけですが、この映画を通して、たくさんの心の動きがありました。

登場人物一人一人とカウンセリングをしているような感覚になったり、

カウンセラーとしての自分のことを肯定してもらえているような感覚を抱いたり…。

とても不思議で心地の良い体験でした。

 

映画館では、登場人物の持っている力を“信じて、寄り添う”という姿勢で鑑賞していましたが、これは現実世界でのカウンセリングの姿勢そのものだったりもします。

 

カウンセラーの役割というものを改めて考えたりもしました。

 

この作品には出会うべくして出会ったという感覚で、カウンセラーとして、これからもがんばっていこうと思えました。

そのような作品と気軽に出会えるようになったことが嬉しいです。

 

 

2023年5月のメッセージ 担当:高田 康輔

カウンセラーの高田です、よろしくお願いします。

いきなりですが、色々な心理に関わる現場でお仕事をさせていただく中で、出会う親御さんや他の専門職の方々からよく「心理の専門の先生なのだからきっとお家でお子さんにもうまく関われられるんでしょうね」との言葉をいただくことが多くあります。

普段働いている様子などからその様なイメージを持っていただいたりもするのかもしれないのですが、実際の家庭内としては「そんなことはないです」というのが正直なところです…(笑)

今回は、自身の子育てを自戒を込めて振り返りつつ気をつけたい点や(余裕があれば)こうしたいと考えているという点などの話を少しさせていただきたいと思います。

まず、気をつけたいなとよく考える点は①何かできる様になったからといっていつもできるわけではないという点です。子どもの生活面での動作、特に服を着ることや靴を履くことなどについてできる様になるまではゆっくり時間を取ってあげたり手伝ってあげたりできるのですが、一度できる様になってしまうと「できる様になった」と理解してしまう様になりできる事として要求してしまうなという反省をよくします。つい最近まで出来なかったということは、ある意味子どもからしたら「頑張らないと出来ないこと」という可能性もまだあります。したがって、その行動をするためには子どもなりには努力が必要であり、「いつもいつもそんなに全力出せないよ!」と思ったりもするのではないか?と考えられます。なので、できる様になったからといっていつもいつも求めてはいけないなと気をつけたいなと考えていたりします。

次に②注意してしまったことは本当に子どもが悪かったことなのかという点です。生活の色々な場面で子どもを注意したり叱ってしまったりする場面はあると思いますが、「本当に子どもが悪かったのだろうか」ということは冷静になってから考えるように心がけています。結果的に子どもがいけなかったなということもありますが、自分が焦っていたんだなという反省や用意が足りていなかったから子どもがやることが多くなりすぎてしまったなということも多くあります。なので、(できれば注意する前ですが)注意してしまった際には少し振り返ることを意識したいなと考えています。

今あげた様な2点のことが私自身の反省点としてよくあがることです。そして、それに対して日々こうしていきたいなと考えている点もいくつかあります。その一つが、振り返った後に「自分が悪かったな」と思うことについては謝るということです。我々親もミスや間違えを起こすことは当たり前のことなので、悪いと思ったら謝るようにしたいなと思っています。これについては、もう一つの効果もあり子どもたちに対して謝るということのモデルや見本を示せることも大切なことだと考えています。もう一つが、自分1人ではなくパートナーや外を頼っていくことです。どんなによく関わりたいと思っていても1人で考えていたり抱えているとなかなかいい関わりを続けていくことは難しいと思います。なので、冷静になったり振り返るためにも他の家族や園や学校を頼っていくことも大切なことであると考えています。


最後になりますが、こうやって改めて振り返ると気にはしているけれど、うまく関わるのは難しいなと改めて感じてしまいます。しかし、大人も1人の人間なので完璧にこなしていくことは難しくてしょうがないと思います。そういう自分自身も認めてあげながら進んでいくことも大事なことなのかな?と感じたりもしますので皆様も気を張りすぎないように頑張っていきましょう。

そして、親子間のことや自身のことなどお悩みの際に誰か他の人と共に考えながら進めていきたいなと感じられる際には、当オフィスなど専門職のご利用もご検討いただければなと思います。

長くなりましたがお付き合いありがとうございました。

 

2023年4月のメッセージ 担当:田島

春日部元町公園の桜が咲いているのをオフィスの窓から見ると春の訪れを感じます。

皆さまは如何お過ごしでしょか。4月のメッセージを担当します。田島です。

 

このページをご覧になっている人はどれくらい居るのだろうか、ということは私には良く解らないのですが、春日部市民のうち果たして・・・うーん、20人くらいは見てくれているでしょうか?うーん・・・

気が付くともう10年くらい阿部オフィスでお世話になっているのですが、メッセージをご覧になっている、という声を伺ったのは1人だけでしたので、まあそのくらいだろうなと今月は少し肩の力を抜いて書いて行こうと思います。

 

ブログやSNSが流行する前から阿部オフィスではこんなふうにカウンセラーが月替わりでメッセージを書いていくという文化があるのですが、内容は各人に任されていて“パンが好き”とか“こんな映画を見た”みたいな自由度の高いものをその時々で書いたりしているのですが、今日は珍しくカウンセリングと心理療法の話をしてみようかと思います。

 

このテーマは色々なところで目にするのですが、私たち臨床心理士の間でもカウンセリングと心理療法って何が違うの?と聞かれてもなんだか曖昧なことがあるかもしれません。

肩の力を抜いて私の言葉で表現すると以下のように考えられると思います。

 

カウンセリングとは、面接室に持ち込まれたその人の悩みに対して、臨床心理学の知識に基づいて、傾聴や助言、内省する、問題を別の角度から捉えなおすなど、様々なアプローチを行います。自分の事や、悩みについて“話す”ことを通して、安心感が得られることや、問題が整理されること、元々は自分の中にあった考えが整理されて妥当な考えがハッキリとしてくるなどの効果が得られるようになることを目的とします。

自由度が非常に高く、対応できる裾野も幅広いことから、レストランでアラカルトで食事を楽しむイメージをして頂くと良いかもしれません。

多くの場合は、カウンセリングを提供するカウンセラーが、妥当性の高いアプローチを提案してくれるでしょうし、ご自身のリクエストも伝えると良いでしょう。

 

 

心理療法とは、認知行動療法や精神分析的心理療法など、特定の理論や治療哲学が存在するアプローチの総称です。その人の悩みについて、それぞれの心理療法の背景にある理論や知識に基いてアセスメントを行い、介入を行っていきます。多くの場合は治療の進め方や介入の行い方にも一定の理論や、積み重ねられた知識が適用され、一般的なカウンセリングと比較するとより専門性の高いものが提供されます。

先ほどのレストランの例えで言うなら、“スペシャリテ”があるからそのレストランに行くというイメージでしょうか。現実的にも特定の心理療法は、臨床心理士なら誰でも提供できるとは限りません。専門職しか入ることの出来ない学術団体(○○学会)に所属してより専門性の高い知識を積み重ねることや、その心理療法を提供できるようにスーパービジョンと言う訓練を受けてようやく提供できるものです。

一般的な“カウンセリング”を行うにもスーパービジョンを受ける必要があると思いますが、特定の心理療法を提供している臨床心理士の多くは、このような訓練を受けているか、受けていたという人が多いです。

例えば、所長の阿部先生は催眠医学心理学会という学会に所属して、長らくスーパービジョンを始めとした研鑽を続けて催眠療法・自律訓練法の専門家として心理療法を提供されています。私は精神分析学会という学会に所属して、精神分析的心理療法を専門としています。

また、サブスペシャリティーとして、自分の専門性とそれ以外の専門性を備えている人も多く存在します。私の周りでは、精神分析的心理療法を専門としながらも日々の臨床では認知行動療法も行うために、そちらの研修も並行して行っている人も結構居ます。

 

カウンセリング・心理療法の両者に共通するのは、いずれも臨床心理学やその辺縁の学問に基づいたアプローチであるということです。

どちらを選択しても、それを選んだ方には専門的なサービスが提供されます。

もう少し詳しく知りたいな、という方はお問い合わせいただくか、担当のカウンセラーに聞いて頂くのも良いかもしれません。

 

次回は私が長く学んできた精神分析的心理療法について書くことが出来ると良いなと思いながら、今月のメッセージを締めさせて頂きます。

今後とも、よろしくお願いいたします。